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2000年11月30日 
北海道教育庁 教育長 鎌田昌市様
                     子どもの健康と環境を守る会 
  代表 黒嶋 惠 
〒069-0842 江別市大麻沢町23-4 

学校における通称ビル管理法に基づき行われている
薬剤散布に関する要望
 
  通称ビル管理法に基づき、8000u以上の学校を対象に年2回、有機リン系等の
薬剤散布による防除作業が行われています。この作業はゴキブリ等の衛生害虫の
発生・生息が認められない場合でも薬剤散布は行われています。
  しかし、このビル管理法の中身を確認しましたが、「適切な方法により害虫の発
生及び侵入の防止並びに駆除を行うこと」とは書かれていますが、薬剤散布により
防除をしなさいという項目はなく、北海道の一般家屋にいないゴキブリに対して、ま
してや生息の認められなかった校舎内に有機リン剤の散布が本当に必要な作業だ
とは思えません。発注元である道教委は有機リン剤の毒性を十分承知の上での発
注なのでしょうか。
  防除作業で健康被害を受けた家庭に、使える薬剤はあるだろうかと、薬剤一覧
が載っているテキストで、問い合わせがありましたが、それらは有機リン剤、ピレス
ロイド剤、カーバメイト剤、昆虫成長制御剤など、皆、毒性のある物ばかりでした。ま
た、そのテキストの中の殺虫剤の安全性、人畜毒性の項には、「どんな殺虫剤でも
人畜に全く無毒というわけではありません。」「すべての生物に対して、まったく有害
性がない薬剤は存在しない。」と書かれていました。
  メーカーは、「人がいる所では散布していないはず。」と言っていますが、実際に
は、生徒がいる中で作業をし、午前中の作業だった学校では、散布直後の校舎内
で食事もしています。
  散布・散布薬剤について、教職員、生徒、保護者には、何の連絡もありません。
ほとんどの 保護者は、散布の事実すら知る事ができず、子どもがその作業によっ
て、体調を悪くしたとしても、原因が学校にあるとは知る由もないのです。
  実際に、ゴキブリがいる地域の学校では、この作業は行われてはおらず、北海道
において 生息が確認できない校舎に、毒性が強く、環境ホルモンの疑いのある有
機リン剤を何故散布しなければならないのか理解できません。
  法律だからしなければならないと言うのではなく、中身を十分に把握し、業者に任
せきりにせず、健康被害が起きないように、適切な方法で行って頂きたくお願い致し
ます。
  以上の事より、「子どもの健康と環境を守る会」では、以下の項目について強く要
望致します。



 1.ゴキブリ等の衛生害虫の生息を確認できない状態での、薬剤散布を禁止して
   下さい。
 2.衛生害虫の駆除をしなければならない場合、散布薬剤の安全性を安全データ
   ーシート、ラベルなどで十分確認して下さい。
   その際、散布前に教職員、生徒、保護者に散布薬剤が何であるかを周知徹底
   し、毒性などを指摘された場合は中止し、安全な代替品を用意し、行って下さ 
   い。

   以上の項目については、冬休みの作業が予定されている事から、早急に対応
 して下さい。
   これらの要望は化学物質過敏症の子どもだけの問題ではなく、全ての子ども達
 の健康と環 境の問題として宜しくお願い致します。









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