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平成14年4月30日 
江別市教育委員会
教育長  高橋 侃 様
子どもの健康と環境を守る会 
代表  黒嶋 惠 

安全な学校教材納入に関しての要望


  当会では、子ども達に安全な学校教育環境を整えるべく様々な活動を行っており
ますが、江別市教育委員会におかれましては、日頃より、会の活動に御理解、御協
力をいただき感謝しています。
  有害な化学物質による健康被害の原因は、これまで考えられていたように建物
が原因で おきるシックハウスだけではなく、日常何気なく使用する教材やワックス、
トイレボールなどでも起きることは、すでに御承知のことと思います。
  平成13年12月、2つの小学校で、版画の授業で使用された版木により、2名の
児童が異常を訴え欠席を余儀なくされました。当会では、原因物質を特定するため
に、児童が使用していた版木を専門家に見ていただく一方で、北海道立林産試験
場に送って分析して頂きました。
  版木の納入業者が提出したデータには、FC0基準の製品であると示されていまし
たが、検査結果は、FC2基準でした。(成分表、及び、ホルムアルデヒド放散試験別
紙参照)FC2はかなりの高濃度でホルムアルデヒドが揮発する合板であり、子ども
たちに使用させるには危険なものであると、専門家より指摘もありました。
  御承知のようにホルムアルデヒドは、厚生労働省より指針値が示され、国土交通
省では建築基準法の改訂に盛り込み、文部科学省においても、厚生労働省の依頼
を受け、何度も通達を出しており、「学校環境衛生の基準」の改訂では、今年度より
定期・臨時検査項目として加えられた物質です。
  シックハウス症候群が社会的な問題として認知されてきた最近では、建築関係者
でさえ シックハウスの問題が生じやすいために、FC2の建材を使っていません。そ
れがなぜ、FC0のデータが付けられた教材として学校現場に納入されたのでしょう
か。
  当会では、以上の検査結果と専門家の指摘から、今回の健康被害は、症状の出
た2名の児童だけの問題では済まされない、一般児童にも共通した重大な問題であ
ると捉えています。
  このような事態が起きた経過と原因の究明、並びに、今後このような教材が納入
されなよう、関係各機関へ御指導頂きたく、下記項目について要望いたします。



 1.教育委員会として、今回の版木を納入した業者に対して厳重に注意するととも 
  に、成分表に示されている製品と全く違う製品が納入された原因を究明し、今後
  このような事が起きないように、他の教材納入業者に対しても指導を徹底してく
  ださい。
 2.教材を選定する際には、必ず安全データシートを取り寄せ、本当に安全な教材 
  であることを担当教員が調査・確認してから決定してください。
 3.市内小中学校に、今回の健康被害の事実をお伝え頂き、教材を取り扱う諸先生
  方へ、注意を促されますよう御指導ください。
 4.今回FC2の版木を使用した小学校の児童の健康状態について、保護者が記入
  する形で健康調査を実施してください。
 5.学校で使用される教材等について、保護者や市民が教材納入業者に対して安 
  全確認の問い合わせができるように、また、当会でも安全対策を働きかけてい 
  きたいと考えておりますので、市内小中学校に教材等を納入している業者のリス
  トを公開してください。

以上


●江別市市教委回答




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