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平成14年7月24日
文部科学省御中
 〒069-0842 江別市大麻沢町23-4
子どもの健康と環境を守る会
代表  黒嶋 惠

シックスクールに対する意見書

  『子どもの健康と環境を守る会』には、有害化学物質に影響を受けやすい化学物質
過敏症・アレルギー症状(化学物質過敏症予備軍も含む)を持つ子ども達が30人い 
ます。
  2000年11月 文部省へ要望を提出した際に、学校の裁量の中で対応できる事、市 
町村教委・都道府県教委で対応できる内容について教えて頂きました。その後、その 
事を踏まえ活動してきました。
  その結果、地元の北海道教委におきましては、通称ビル管理法による薬剤散布を
2001年1月より、実質上行われなくなりました。また、江別市教委におきましては、2000
年より、何処の学校に何人化学物質過敏症の子どもが在籍しているのか人数把握をし
ています。改修工事の際には、安全データーシートを取り寄せ、材料の選定にも配慮
し、2001年度の工事では、体調の悪くなる子どもは出ていません。化学物質過敏症の
子どもが在籍している学校では、シックスクールの原因物質の一つとして問題のワック
スも全く塗らないか、自然系ワックスに変更して下さっています。市内28小中学校に
は、パラジクロロベンゼンが含有している芳香剤はトイレから撤去され、使われていま
せん。
色々配慮し、対応して下さっている関係で、全く登校出来ない子どもはいません。
  しかし、全国から寄せられる相談の中には、上記の対応しようと思えばできる事で
も、他の自治体や学校では、理解してくれず対応してもらえない事から健康被害を受け
ている子ども達がいるのです。二年間の活動と相談を受けた内容より下記の項目につ
いて意見を述べさせて頂きます。



1.何故、シックスクールは、起きるのでしょうか。
 それは、学校現場で使用する何が原因で健康被害が起きるのかと言う情報の無さと
 特別な子どもにだけに起きる問題だと捉えているからではないでしょうか。
 確かに文部科学省からは、通達と言う形で厚生労働省で指針値が定められた揮発 
 性有機化合物等の物質名の情報は出されていますが、それが学校で使われる何に
 含有しているのかについて、学校現場では分からない、分かっていないのが現状で 
 す。
 学校現場から子ども達が何が原因で健康被害を受けているのかの情報を収集し、そ
 の情報を全国の教育委員会・学校へ情報公開してください。
2.学校環境衛生の基準が改定され、今年度より教室などの空気の検査項目にホルム
 アルデヒド及び揮発性有機化合物の検査が追加されましたが、各自治体では予算を
 どう捻出するかで頭が痛いようです。全国でどれだけの学校が実施可能なのでしょう
 か。ホルムアルデヒド及び揮発性有機化合物の含有している製品を使用するから濃
 度検査をしなければならなくなります。それらが含有している製品の使用禁止につい
 て御検討ください。
3.学校の授業で使用される教材の殆どが、製造会社及び販売会社の連絡先が明示さ
 れていない物です。使用者である子ども達は、PL法で守られているはずですが、内 
 容表示もありません。教材製造・販売会社に対して、連絡先及び内容表示の明示を 
 行政指導してください。また、製造する際には、安全性に充分配慮するようご指導くだ
 さい。
4.印刷物のインクの問題もあります。特に教科書は、新学期真新しい教科書を一斉に 
 使用する訳ですから特に問題です。この時期、教科書に反応する子ども達が増えて 
 います。
 センター試験の問題用紙を始め、入試用の問題用紙も大きな試験会場で使用される
 事から、インクの良し悪しが問題になると思われます。是非、インクに反応する子ども
 達が健康被害を起こさない大豆インクを使用し印刷してください。教科書会社に対し 
 ては、働きかけてください。
5.教科書の中の、使用する物についての記述に、注意して下さい。学校現場で健康被
 害が多い物は、教科書に使う物として載せないで頂きたい。学校現場では教科書に 
 載っているので使わなくてはいけないと言います。
 健康被害が起きた授業であっても、本当に行わなければならないのか、代替案はな 
 いのかを含め御検討下さい。

以上






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