「文部科学大臣」および「シックハウス協力者会議 児童生徒の実態調査部会」
協力者の皆さんへ要望書を提出
「子どもの健康と環境を守る会」は、「CS支援センター」さんからの呼びかけ・とりまとめ
により、各団体と協力して、以下の要望書を、文部科学大臣、ならびに「文部科学省シック
ハウス症候群に関する調査研究協力者会議 児童生徒の実態調査部会」の協力者の皆
さんへ、提出しました。
2003年1月21日
文部科学大臣 遠山 敦子 様
要 望 書
【趣旨】
1)文部科学省シックハウス症候群に関する調査研究協力者会議、または同会議児童生
徒の実態調査部会において、発症者、発症者家族、発症者団体、支援団体からのヒア
リングの機会を設けること
2)文部科学省シックハウス症候群に関する調査研究協力者会議、児童生徒の実態調査
部会、および測定方法等検討部会について、議事を一般市民に公開すること
【本文】
私たちは、学校環境における化学物質等により体調不良を起こしている児童・生徒・学
生、およびその家族による団体、および、その支援団体です。
校舎などの学校施設や教材・教具から揮発する化学物質、校庭の樹木にまかれる殺
虫剤等により、アレルギー疾患やアトピー性皮膚炎が悪化したり、化学物質過敏症を発症
または悪化させるなど、学校環境における化学物質が及ぼす子どもへの健康影響が、大
きな問題となっております。そのような子どもたちが通学するためには、学校側のご協力
をいただく必要があります。また、学校側のご協力をいただいても通学できない重症の子
どものためには、家庭訪問による教育等の措置が講じられる必要があります。
文部科学省におかれましては、2001年1月に「室内空気中化学物質の室内濃度指針値
及び総揮発性有機化合物の室内濃度暫定目標値等について」を各都道府県教委等へ通
知し、また、2002年2月には「学校環境衛生の基準」を改訂し、4種類の化学物質について
室内空気濃度の基準値を決め、定期検査および臨時検査を義務づけるなど、この問題へ
の取り組みを進められているところです。
しかし、この問題について実態調査が行われたことがなく、また、教育現場に上記の通
知等が十分に周知されておらず教職員の方々の多くがこの問題の知識をお持ちでないた
め、子どもにとって必要な対策が取られないばかりか、子どもや家族が学校側から「わが
まま」「神経質」等、不当な非難を受けるケースも珍しくなく、子どもたちが教育を受ける権
利が侵害されているのが実状です。
このたび、シックハウス症候群に関する調査研究協力者会議が発足し、私たちがかね
てから要望していた実態調査が行われる運びになり、たいへん喜ばしく存じております。実
態調査により、この問題の深刻さと、一刻も早い取り組みの重要性が、さらに明らかにな
ることをご期待申し上げております。
つきましては、一般に十分に知られているとは言い難いこの問題について、ぜひ当事者
より、生の実態や切実な訴えをお聞きのうえ、議論に反映させていただき、実態調査の手
法、内容等をより充実させ、適切なものとしていただきたいと存じます。このため、発症
者、発症者家族、発症者団体、支援団体を対象としたヒアリングの機会を、同会議、また
は同会議の児童生徒の実態調査部会で設けてくださいますよう、要望いたします。
また、同会議および両部会は、一般市民に対しては議事を非公開にすることが決定さ
れたと伺っております。私たちは、この会議に強い関心と期待を持っており、ぜひ議事を
見守らせていただきたく存じます。8月の第1回会議の議事概要は文部科学省のウェブサ
イト上で公表されましたが、座長の先生以外は、どなたによる発言かも不明で、議論の流
れを読み取ることも出来ません。
政策立案過程への市民による意見反映や、情報公開は、民主主義社会における時代
の趨勢です。議事の中で、特定の発症者が話題になる場合等のプライバシーに関わる恐
れがない範囲で、市民に議事を公表していただきますよう、併せて要望いたします。
要望団体・代表者名簿(五十音順)=代表者名省略
化学物質過敏症の子どもが環境を考える会
化学物質問題市民研究会
環境病患者会
子どもの健康と環境を守る会
シグナルキャッチ
シックハウス連絡会シックスクール部
特定非営利活動法人 化学物質過敏症支援センター
(とりまとめ)
特定非営利活動法人 化学物質過敏症支援センター 理事長 横田 克巳
横浜市中区南仲通4-39石橋ビル5F かながわ市民活動スペース内
電話045-222-0685 ファクス045-222-0686 メールyokohama@cssc.jp
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