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2000年12月28日 
北海道教育庁 教育長 鎌田昌市様
子どもの健康と環境を守る会 
代表 黒嶋 惠 
〒069-0842 江別市大麻沢町23-4 

学校校舎内における薬剤散布に関する
緊急要望
 
  11月30日、当会は「学校における通称ビル管理法に基づき行われている薬剤
散布に関する要望」を提出致しました。
  予算特別委員会の中でも、この問題が取り上げられ、この時の答弁に基づき、
12月11日、各学校へ通達文書が出されたと伺っております。
  この通達文書が、各学校において、どのように対応されるのかを、電話にて調
査しましたところ、かなりの問題がある事が分りました。
 ○事前調査をする事になっているようですが、生息の有無を確認する事前調査
   はされていな い。又、される予定はない。
 ○事前調査には、妊娠中の教職員、アレルギー体質、化学物質過敏症の人が 
   いるかどうか の確認は含まれていない。
 ○発注契約形態が、薬剤散布をしながら、生息を確認するというものになってい
   るようだ。こ れでは、事前調査をし、それから検討するという話しにはならな 
   い。
   年契約になっており、衛生害虫の発生が認められないと言う理由で、各学校 
   単位での途 中解約が出来にくい現状にある。惰性で行われている可能性が 
   大 きい。
 ○衛生害虫の生息が認められない状態で薬剤散布が行われている。
   予防といいますが、卵の状態のものに、薬剤散布は効果はなく、生息が認め 
   られない状 態での薬剤散布は、税金の無駄使いとも言えます。
   予算がつけば、使い切るというのも問題です。
 ○必要最小限という言い回しも、今までの散布が必要最小限と思えば、これまで
   通りの散布 が行われる予定である。
  ○各学校は、局・業者に任せているので、何も分らないと言う声がある。各学校 
   の衛生害虫、ねずみの発生状況に合わせた対応がとられているとは考えら 
   れない。  
 ○石狩局の発注した3社とも、有機リン系の薬剤が使用されていますが、各学校
   は、そがどういう薬剤かを全く知らない。つまり毒性も知らないわけである。  
  (毒性については別紙参照)有機リン系の薬剤は、散布直後よりも、紫外線が
   あたる事により、数時間後には、5000〜10000倍の危険物質に変わると言
   われています。
 ○有機リン系薬剤の健康被害として、このビル管理法の防除作業による生徒、 
   職員への被害をはじめ、地下鉄サリン事件、床下の防蟻剤、静内の特養老 
   人ホームでの45人健康被害など多々報告されています。健康被害が起こりえ
   るものと知っても、しなければならない作業ではないはずです。
   また、衛生害虫、ねずみ等は、人の健康を損なう事態を生じさせるおそれの 
   あるものとありますが、生息の認められない状態で薬剤散布をし、健康被害 
   を招くようでは、本末転倒といえます。
 ○他県、他市等は、生息は認められても、薬剤散布をしていない所があります。
 ○各学校が、薬剤散布の目的、方法、使用薬剤とその毒性、残留性、健康被害
   の具体的症状と応急処置、後遺症の危険性などを全く知らぬまま、道教委と 
   業者の主導で作業が行われている。
   責任の所在がどこにあるのか、はっきりしない。
   作業の危険性を考えれば、事前に保護者、生徒、教職員への通知と承諾、一
   定期間校内への立ち入り禁止、(生徒も教職員も)等の措置が必要不可欠だ
   が、全く行われていない。この様な状態では、例え、被害が発生しても、原因 
   の特定がつかず、治療開始の遅れや,病状の悪化、再暴露による命の危険 
   性すら有り得る。

  以上の問題点より、緊急に下記の事を強く要望致します。



 1.事前調査とは、生息の有無の確認、妊娠中の教職員、アレルギー体質、化学
   物質過敏症等の人がいるかどうかの確認をする事。
 2.生息が確認できなければ、薬剤散布はしないとする事。
 3.生息が認められた場合は、薬剤散布を最初から決めず、人体に影響のない
   ものにする事。
 4.事前調査の生息が認められるかどうか判断を下す人(業者)と実施する人(業
   者)は、分ける事。(癒着防止)

実施時期が1月と迫っている事から、早急に対応をお願い致します。
全教職員、全生徒の健康の問題として、考えて頂きたく、重ねてお願い致します。
  



●関連通達(2001.1.15 北海道教育委員会)
●関連通達(2001.8.22. 厚生労働省)







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